- WordPressのローカル環境について知りたい
- 「Local」を使用してローカル環境の作成方法が知りたい
- 「Local」の使い方を知りたい
この記事ではWordPressでローカル環境を構築する方法を解説します。
「新しいプラグインを使用したい」「CSSやphpファイルをカスタマイズしたい」「サイトのテーマを変更したい」といったときに十分なテストを行わないまま公開するとトラブルとなる可能性があります。
そんなときにローカル環境は本番環境に影響せずにテストを行うことができるため非常に役立ちます。
ツールを使用すれば簡単にローカル環境を構築できるので、最後までチェックしてみてください。
WordPressのローカル環境
ローカル環境とは、個人のPC上に構築されたプライベート（自分以外閲覧できない）な環境です。
一方、本番環境とはXserverやConoHaWINGといったレンタルサーバー上に構築してインターネットに公開可能（誰でも閲覧可能）な環境のことを言います。
他にもデータの保管先やセキュリティ面でも違いがあり、まとめると次の通りとなります。
| 本番環境 | ローカル環境 | |
|---|---|---|
| 環境構築場所 | レンタルサーバー | 個人PC |
| データ保管先 | レンタルサーバー | 個人PC |
| 公開先 | インターネット | 個人PCのみ |
| アクセス性 | 世界中のユーザーがアクセス可能 | 個人PCの利用者のみアクセス可能 |
| セキュリティ | サーバーのセキュリティ対策に依存 | 個人PCのセキュリティ対策に依存 |
| オフライン作業 | 不可 | 可能 |
| 費用 | 有料 | 無料 |
ローカル環境を構築するメリット・デメリット
ローカル環境を構築する上でのメリット・デメリットは以下の通りです。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 本番に影響を与えずにプラグインやコードのテストが可能 インターネットに接続しなくても作業が可能 | ローカル環境構築に個人PCの容量を使用する 本番環境データを移行するのに手間がかかる |
通常であればローカル環境が無くてもサイト運営は可能です。
しかし新しくプラグインやテーマを導入するときやコードを自分で記述したときなど、本番環境に影響を与えずテストを行えたり変更後のテーマやデザインの影響範囲を確認できる点は大きなメリットといえます。
一方で個人PC内にローカル環境を構築するため、ある程度PC容量を使用してしまったり、本番環境データをローカル環境に移行する必要があるなどデメリットもあります。
容量に関して、ローカル環境の構築に必要な容量は以下の通りです。
| 必要容量 | |
|---|---|
| WordPress本体 | 約50MB |
| データベース | 数十MB ～ 数百MB |
| プラグインとテーマ | 数MB ～ 数十MB |
| 追加メディアファイル | 記事に使用した画像、動画により異なる |
WordPress自体のインストールには約50MBの容量が必要になります。
データベースはサイトの内容により異なりますが、一般的には小規模サイトであれば数十MBから数百MB程度の容量があれば問題ないと思います。
また、一般的なプラグインやテーマは数MBから数十MB程度です。
基本的なローカル環境を構築するだけであれば、1GB（1GBは約1000MB）程の空き容量があればローカル環境の構築が可能です。記事数や使用する画像、動画によりそれ以上の空き容量が必要となります。
本番環境のデータ移行については、移行ツールを使用することで手間を軽減することも可能です。
それでは具体的にローカル環境の作り方を説明します。
ローカル環境の作り方
ローカル環境を構築するにはツールを用いて行います。
代表的なツールとして「Local（旧Local By Flywheel）」「XAMPP」「MAMP」などが挙げられますが、専門的な知識が無くてもローカル環境が構築できる「Local」がおすすめです。
利用者も多く、Web上で関連サイトが多いので困ったときに解決策を見つけやすいのもおすすめできる理由の一つです。
「Local」のインストール
「Local」の公式サイトからインストールします。今回はWindowsPCへインストールする場合を想定して解説します。
「DOWNLOAD FOR FREE」をクリックします。
次にダウンロードを行うプラットフォームの選択画面が表示されます。
（Mac / Windwos / Linux）から選択可能なので、インストールを行うOSを選択してください。
プラットフォーム選択後、「氏名」「所属組織」「メールアドレス」入力画面が表示されます。
「所属組織」「メールアドレス」が必須項目となっています。
入力後、「GET IT NOW!」をクリックするとダウンロードが開始されます。
ダウンロードがうまく開始されない場合は、「click here」をクリックしてください。
632MBとダウンロードファイルは容量が大きいのでダウンロードにしばらく時間がかかります。
WindowsPCの場合、「ダウンロード」フォルダに「local-9.0.2-Windows.exe」という名前のファイルがダウンロードされていることが確認できます。
これが「Local」本体のファイルとなります。
「local-9.0.2-Windows.exe」をダブルクリック、または右クリックから「開く」を選択しインストールを開始してください。
Localセットアップが起動します。
通常は「現在のユーザーのみにインストールする」を選択し、「次へ」をクリックします。
PCを複数人で使用し、かつ「Local」を利用する場合、「このコンピューターを使用しているすべてのユーザー用にインストールする」を選択してください。
インストール先フォルダはそのままでかまいません。「インストール」をクリックします。
以下のような「ユーザーアカウント制御」のダイアログが表示された場合、「はい」を選択してください。
インストールが完了すると以下の画面が表示されるので、「完了」をクリックしてください。
「Localを実行」にチェックを入れている場合、インストール完了後、「Local」が起動します。
「Local」の初期設定
インストール後、「Local」を起動して初期設定を行います。
初回起動時には利用規約に同意する画面が表示されるので、チェックを入れてから「I agree」をクリックします。
エラーレポートの送付に関する同意画面が表示されるので、「Turn on error reporting」をクリックします。
同様に、使用状況レポートの送付に関する同意画面が表示されるので、「Turn on usage reporting」をクリックします。
「No, thanks」をクリックすることでレポート送付を拒否することも可能です。
また、レポートを送付するかどうかは後から変更することもできます。
初期設定画面が表示されるので、「Create a free account」をクリックし、アカウントを作成します。
別ウィンドウでブラウザが起動し、「Local」のアカウント作成画面が表示されます。
「Local」のアカウントはGoogleアカウントまたはGitHubアカウントと連携させることで登録が可能です。
どちらのアカウントもない場合、「氏名」「メールアドレス」「パスワード」を入力してアカウントを作成します。
「Local」へのWordPress設定方法
「Local」のインストール、アカウント作成が完了したら、次はWordPressを設定していきます。
「Local」はWordPressでのサイト構築に特化しており、サイト作成から簡単にWordPressの設定が行えます。
「Local」を起動すると以下の画面が表示されるので、「Create a new site」をクリックします。
「Create a new site」を選択し、「Continue」をクリックします。
構築するサイト名を英語で入力し、「Continue」をクリックします。
「Advanced Options」をクリックすると「Local site domain」「Local site path」を設定できますが、こだわりがなければサイト名を指定すると自動で設定される内容で問題ありません。
Advanced Options 詳細
「Local site domain」「Local site path」でそれぞれローカル環境のドメイン名、データ保存場所を変更することができます。
次にPHPバージョン、Webサーバー、MySQLバージョンを選択します。
「Preferred」（推奨）「Custom」（カスタム）いずれかから選択できますが、通常利用では「Preferred」で問題ありません。「Continue」をクリックします。
「Preferred」を選択時、PHPバージョン、Webサーバー、MySQLバージョンは以下の通りです。
| PHPバージョン | 8.1.23 |
| Webサーバー | nginx 1.16.0 |
| MySQLバージョン | 8.0.16 |
変更する場合は、「Preferred」から「Custom」に変更してそれぞれ設定して下さい。
Custom 詳細
「PHP version」「Web Server」「Database」よりそれぞれ設定可能です。
最後にWordPressローカル環境にログインする際のID、パスワードを設定します。
「WordPress Username」「WordPress password」にそれぞれ、ID、パスワードを入力し「Add Site」をクリックします。
「Advanced Options」をクリックすると「Is this a WordPress Multisite?」と表示されWordPressでマルチサイト運用をするかどうか選択可能です。
Advanced Options 詳細
マルチサイト運用の設定では、「Subdirectory」「Subdomain」から選択できます。
本番環境のWordPressでマルチサイト運用をしている場合を除いては「No」を選択することをおすすめします。
完了すると以下のような画面が表示されます。
「Local」の使い方
「Local」の基本的な使い方を解説します。まずはよく使用する機能についてまとめます。
- サイトの停止や起動を行います。
- WordPressが起動します。サイトが停止中の場合、同時にサイトが起動します。
- サイトを開きます。サイトが停止中の場合、同時にサイトが起動します。
- 新しくサイトを追加します。
- サイトを外部に共有する。
サイトの起動方法と停止方法
作成したローカル環境は「Local」から起動と停止を行います。
画面右上の「Start site ▶」をクリックするとサイトが起動します。
サイトを停止したい場合、画面右上の「Stop site ■」をクリックするとサイトが停止します。
サイトを複数構築している場合、左下の「Stop all ■」をクリックすることで起動中のすべてのサイトを停止させることができます。
本番環境とは違いPC上でサイトが起動しますのでスペックによっては処理が遅くなる場合があります。使用しないときには停止するようにしましょう。
WordPressの起動方法
ローカル環境で設定したWordPressは「WP Admin」から起動できます。
WordPressを日本語表示にする方法
WordPress初回起動時には言語が英語となっているので、日本語に変更します。
「Settings」から「General」をクリックします。
「Site Language」から「日本語」を選択し、「Save Changes」をクリックします。
これで、WordPressが日本語で表示されます。
サイトを外部に共有する方法
ローカル環境に構築したサイトは基本的に個人PCのみで閲覧できます。
しかし外部共有を設定することで、特定の他の人のみにサイトを公開することが可能です。
画面下の「Enable」をクリックします。
共有用のURLが作成されます。
画面下の「Live Link」をクリックすると、「Live Link」（共有URL）、「Username」（ユーザー名）「Password」（パスワード）を確認できます。
「Live Link」（共有URL）、「Username」（ユーザー名）「Password」（パスワード）を共有することでローカル環境のサイトを閲覧可能です。
サイトを構築したり、ライターとしてWordPressで記事を執筆したりした際にクライアントと成果物を共有したい場合に役立ちます。
まとめ
この記事では以下の手順でローカル環境の構築方法を解説しました。
- 「Local」初回起動時設定
- Localアカウントの作成
- サイト新規作成
- WordPressアカウント設定
ローカル環境は新しいプラグインやコードのテスト用環境として役立つのはもちろんですが、副業としてクライアントと成果物を共有する場合でも非常にあると便利です。
今回解説した手順に沿って作業すれば、誰でもローカル環境を構築することできるので挑戦してみてください。
コメント